ドアが壊れてしまいますよ
弊社のビルの管理人は耳が遠いのか異常に声がでかい。
今日「管理でーす」と登場した。マツが対応。
ドアがピッタリ閉まりにくいのを直しにきてくれたようだ。
しかし、ドアがピッタリ閉まらないのはセクハラが
防犯用にドアに自主的にパッキンをはさんだせいである。
異様にドアの隙間が開いているので、正直危ない。
セクハラご丁寧に壁と同じ色の塗料まで買ってきて
パッキンを着色したのだ。
管理人もパッキンを挟んだことは知っていたが
そこまで厚いとは思いが及んでいなかったらしい。
しきりに「ドアのねじがゆるんでるんだと思うんだよね」と
修理に取り組んでいる。マツも早くパッキンのせいだと
教えてやれば良いのに黙っている。
そのうち、パッキンの存在に気づいた管理人が
パッキンをはずそうとしている。
このままではマツがセクハラと管理人の板ばさみになるので、
仕方なくセクハラを呼びに行く。
するとセクハラ、管理人徐々にヒートアップしてくる。
そりゃそうである。ピッタリしまらないのが嫌な人間と
隙間が開くのが嫌な人間が話し合っている。価値観の
真っ向勝負である。
面白いもので、お互いそのことはわかっているのに
奇妙な理屈をつけてお互いをやり込めようとしている。
管理人の言うことの変遷は
ドアがピッタリ閉まらないのはネジが緩んでいるからだ
↓
(しかしネジは緩んでいなかった)
↓
パッキンが厚いとネジが緩んでしまうに違いない
↓
パッキンが厚いとドアが壊れてしまう
↓
パッキンを店子が勝手につけるのはけしからん
(単にドアがピッタリ閉まらないのが嫌なだけだろうに)
最初のネジ緩みの一件がなければ管理人の言うことも確か
だろうが、パッキンの存在を気がつかずにこの話を始めてしまったので
なんだかインチキくさくなってしまっている。
一方のセクハラもそんな流れをわかっているだろうに
「防犯上危ない」の一点張りである。近所づきあいのできんヤツだ。
あまりにうるさいのでヘッドホンで音楽を聴き始めたが
20分後、まだ二人はドア(パッキン)の前。
少しだけ、セクハラの下で働いているのがアホくさくなったオイラであった。