一族の誇り

風邪をすぐにひく人が嫌いである。
咳くらいは長びくが咳がでたところで社会生活は送ることができる。
イヤなのは、熱で何日も社会生活を放棄する人間がいることだ。


熱が出るというのは、身体に入ったウイルスを殺すために
脳が指令して体温を上げて撃破しようとしている。
従って、初期はウイルスに負けて寒気が起こるが熱は高い。
熱が上がりきった頃から暑さを感じるようになり発汗する。
こうなれば勝利である。ウイルスの大半は燃やされたのだ。


あとは殺菌力のあるものを食べて、ウイルスの残党を抹殺し
消化の良いもの、暖かいものを食べて熱に使ったエネルギーを
取り戻し、水分を補給して汗をかいて失った水分を
元に戻してやれば、治る。極めて科学的じゃーぁないか。


しかし、これは自分の話なので、風邪をひかないものが
人のことをとやかく言ってはいけないのか?とも思う。


その矢先、母親の会社の人間が風邪で何日も休んだ、と言って
文句をたれていた。その言いぐさは「風邪ごときで何日も
休みやがって、くそバカがっ」である。


え?遺伝?


もしかすると家系的にオラが一族は大変健康家族であるかも
しれないことに気がついた瞬間だった。しかも、ただ健康と
いうだけでなく気合いを入れれば何とかなると思っているフシがある(他人も)。


昔(また昔話だ)風邪とは別だが、スキーに行ったときに父親(南国出身)が
すごい急斜面を「おい、気合い入れてすべれや」と言って
もろボーゲン(彼はスキー初心者)で滑り去って行った。
そのとき父親を尊敬したものだったが、
隣の見知らぬオヤジがボソリと


「気合い入れてもダメなもんはダメだよ」


それがすべてを表しているかもしれない。
気合いや健康を人に押しつけてはいけないのだ。