はじめのいっぽだよ(結構重いよ!)

遂にこの日が来た。両家顔合わせ、いわゆる略式結納。
田舎者集団が、東京駅のオアゾなるビルのフランス料理屋に集合だ。


オイラの両親は離婚しているが、先日、ダーリンを紹介したときに顔を合わせているので、さほど久しぶりでもない。ちなみに紹介をしたときには、大学の同級生である彼らは同級生トークに花を咲かせた(うーむ)。そんなに仲が良いなら、夫婦をやめなければ良いものを、と思うが、友人と夫婦は違ったようだ。


両家ともに比較的酒飲みなので、適当な盛り上がりをみせる。寡黙かと思ったダーリンのお父さんも饒舌だ(助かるねー)。


宴もたけなわというところで、突然Kさん(=父)が挙手発言。「自分はこの子(=オイラ)に温かい家庭を味合わせてやれなかった」と泣きだした。Kさんが泣くのなんて産まれて初めてみたかもしれない。涙もろいライン(ダーリン、オイラ、ダーリンのお母さん)は速攻もらい泣きをするが、ヨーコは涼しい顔だ(・・・・)。


Kさんとは数年に1度二人で食事をするが、話しをすると「今の家族」(Kさんは再婚している)がKさんに大きな潤いを与えていることがわかる。それは素直に喜ばしいと思う。しかし、一方で妬ましい自分もいる。一度、腹違いの妹に名前を呼び間違えられた。それはKさんの日常だから仕方ないのかもしれない。しきりに言い訳をするKさん、そんな言い訳は聞きたくなかった。今度の謝罪もなんとなく同じように聞こえなくもなかった。謝らせている原動力になっているのは、Kさんの「今の家族」である。Kさんが謝罪をしている相手は「その替わりに捨てた家族の一味」である。あまりに空しくはないか。


でも、気がついたときからやり直していくしかない。


オイラは嫁に行く。ダーリンという家族が出来る。ダーリンと出会ってから約1年半、つき合って1年と少し。相当くだらないことやら何やらでやたらにケンカをした。こんなにケンカをした人は人生で初めてである。そうして関係が築かれつつある。猛烈に憎らしいと思うことがたびたびだが、別の人が隣にいるのを想像するのは嫌だった。そういう風に家族は造られていくのかな、と思っている。


Kさんの謝罪は、オイラとKさんのバラバラになった家族造りの一歩になると良いと思っている。失った時間は戻ってこない。しかし、目の前には時間の道がある。