椿軍団

このところ美肌に懲りすぎて寝る時間がどんどん遅くなる。
なぜならば、購入した佐伯チズおばさんの本に
化粧水をつけたら3分おけ、美容液をつけたら3分おけ、
パックしろ、なにしろ、うだうだと書いてあり、
3分を無駄にすまいとネットサーフィンをやっていると
いつの間にか10分、15分とたっており、あっという間に1時2時。
オイラは何をしたいのか。


だが、さらにチズの言いなりは続き、
ファンデーションはピンク系とオークル系を混ぜて使え、
リキッドとパウダーのファンデーションを
2重にするのはだめだ、おしろいを使えとあるので、
おしろいとピンク系のリキッドファンデーションを買いに行ってしまう。


丁度いいことに、薬局で化粧品が3割引きだったので
適当に目に付いたものを買う。資生堂はなんとなく嫌いなので
花王ソフィーナの製品を買おうとすると美容部員が
「絶対これよりいいものがありますよ」という。


「ああそうですか」と言われるままに
勧められた商品に交換して、ふと気づくと
すべてが“資生堂プラウディア”に。あぁしまった
エビちゃんの顔の修復費に寄与してしまうではないか。


よくよく見ると美容部員の胸に「資生堂
しまった。


資生堂は原価が安いと聞くし、宣伝に金を使いすぎなので
どうも信用ならない。なのに、なのに。


またその美容部員も自慢げに化粧の方法について大演説をぶつわりに
化粧が下手だ。しかも息がくさい。しかし引き返せない。


結局、大金をはたいて資生堂椿軍団、プラウディアをしこたま買い込み
不細工な美容部員に「いつでも質問とかあれば来ていいから」と
上目線で言われ「知らない」「無垢」な自分を悲しく思うのだった。